【出展者インタビュー】メーカーの垣根を越えてロボットが集まる未来の社会を見据えて

※本記事をお読みの皆様へ
本記事は、「ともだちロボット」の運営メンバーへお話を伺い作成したものです。
記載されている内容はあくまで個人の経験や見解に基づくものであり、大学・参加企業およびメーカー各社の公式見解を代表するものではありません。
あらかじめご了承ください。


ロボットというと、人の仕事を手伝ったり、生活を便利にしたりする存在を思い浮かべる人が多いかもしれません。
「ちょっと先のおもしろい未来(ちょもろー)2026」に出展する「ともだちロボット」は、ロボットを単なる便利な道具ではなく、人の生活に寄り添う“ともだち”のような存在として捉え、その可能性を広げる活動を行っているプロジェクトです。

メーカーの異なるロボットが一緒に集まる企画や、ロボットと暮らすオーナー同士が交流できる場をつくることで、ロボットをきっかけに人が集まり、会話や新たなつながりが生まれる機会を提供しています。

今回は、なぜロボットを“ともだち”として捉えているのか、そしてメーカーの垣根を越えた場づくりを通して、どのような未来を目指しているのかについて伺いました。

ロボットを「ともだち」と捉える理由

――「ロボットが“ともだち”として人間の生活に溶け込む可能性」を探っているとのことですが、ロボットを道具ではなく「ともだち」と捉えることに、どのような思いを込めているのでしょうか。――

ロボットは、人の仕事を手伝ったり、何かの役に立ったりする存在として語られることが多いと思います。もちろん、そうした役割も大切です。

一方で、私自身はロボットにはそれだけではない価値があると感じています。

ちょもろーでロボットオーナーの方がロボットを連れてくると、それをきっかけに子どもたちが集まり、会話が生まれ、人と人との交流が自然に広がっていく場面をたくさん見てきました。ロボットそのものが何か特別なことをしているというよりも、ロボットがそこにいることで、人と人がつながっていくのです。

そうした様子を見るたびに、ロボットは単なる道具ではなく、一緒にいるとうれしくなる存在であり、人との関係の中で価値を持つ存在なのではないかと思います。

私が関心を持っているのは、ロボットの技術そのものだけではありません。人とロボットがどのような関係を築けるのかということです。人によっては話し相手かもしれませんし、見守ってくれる存在かもしれません。家族のように感じる人もいるかもしれません。

ロボットとの関係性には、決まった正解があるわけではありません。それぞれの人が、自分なりの距離感を見つけていくものだと思っています。

その意味で、「ともだち」という言葉は、ロボットとの関係を表す一つの自然な形だと感じています。必ずしも何かの役に立つから一緒にいるのではなく、一緒にいるとうれしい。そんな存在として、ロボットの可能性を考えていきたいです。

メーカーを越えてロボットが集まる場をつくる意味

―― ふだんは各社のお店やイベントでしか会えないロボットを、メーカーの垣根を越えて同じ場所に集めることを大切にされているそうですね。そのこだわりについて教えてください。――

メーカーの垣根を越えてロボットが集まる場を大切にしているのは、それが実際の未来の社会に近い姿だと思うからです。

将来、ロボットが当たり前にいる社会になったとしても、そこに存在するのは一つのメーカーのロボットだけではないはずです。さまざまな個性や役割を持ったロボットが、同じ社会の中で共に存在する世界になっていくと思います。

普段は、それぞれのメーカーやサービスごとにロボットと出会う機会が多いため、どうしても一つのロボットだけを見ることになりがちです。しかし、複数のロボットが同じ場所に集まることで、それぞれの違いや魅力がより鮮明に見えてきます。

自分が好きなロボットの良さを再発見したり、これまで知らなかったロボットの魅力に気づいたりするきっかけにもなります。

また、ロボットが当たり前にいる未来は、技術が進歩するだけで自然にやってくるものではないと思っています。異なるロボットが同じ空間で共存するとき、人はどのように関わるのか。そこにはどのような課題や可能性があるのか。そうしたことを、今のうちから試していくことも大切だと考えています。

さらに、この活動を通じて印象的なのは、ロボットを通じた人と人とのつながりです。ロボットオーナー同士はもちろん、メーカーやサービスに関わる担当者同士も、自分たちのロボットへの愛情や誇りを持ちながら、他のロボットや関係者へのリスペクトを持って交流しています。

メーカーの違いを越えて、「ロボットが好き」という思いでつながる人たちがいるからこそ、このようなイベントが実現できているのだと思います。

複数のロボットが集まることで見えてくるもの

―― 複数のメーカーのロボットが一緒にいることで、初めて見えてくるものはどのようなことでしょうか。――

複数のメーカーのロボットが同じ場所に集まることで見えてくるのは、ロボット同士の違いだけではありません。ロボットとの関わり方の多様さも見えてくると思います。

例えば、特定のロボットのオフ会では、そのロボットが好きな人たちが集まるため、共通の話題や価値観を持ったコミュニティが生まれます。それはとても素敵なことです。

一方で、複数のロボットが集まる場では、また違った景色が見えてきます。

自分のロボットが好きで参加している人、他のロボットに興味を持って見に来た人、ロボットの技術に関心がある人、子どもたち、そして初めてロボットを見る人。本当にさまざまな人が集まります。

同じロボットを見ても、反応は人によって異なります。「このロボットが好き」「こんなロボットがいたんだ」「技術が面白い」など、それぞれの視点で楽しんでいる様子を見ることができます。

私は、そうした場だからこそ、ロボットの多様性だけでなく、人の多様性も見えてくるのだと思っています。

どのロボットが優れているかを比べるのではなく、人がどのようにロボットと出会い、興味を持ち、関係を築いていくのか。その過程を見られることが、複数のロボットが集まる場の大きな魅力です。

ロボットと人が、自然につながる未来へ

ロボットの未来というと、性能の進化や便利さに注目が集まりがちです。

しかし、今回のお話から見えてきたのは、ロボットが「何をしてくれるか」だけではない未来の姿でした。

ロボットがそこにいることで、人が集まり、会話が生まれ、人と人との距離が近づいていく。役に立つから一緒にいるのではなく、一緒にいるとうれしいからそばにいる。そんな関係性の中に、ロボットの新しい可能性があるのかもしれません。

ロボットは、人にとって“ともだち”のような存在になれるのか。

その答えは、人によって少しずつ違うはずです。だからこそ、ロボットと出会い、触れ合い、感じ方の違いを楽しめる場には大きな意味があります。

ちょもろーで生まれるのは、ロボットとの出会いだけではありません。ロボットをきっかけに、人と人がつながる、そんな未来の入り口でもあるのです。

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